“第九”で心を一つに
―世界で歌われ二百年―
市原 愛(ソプラノ歌手)
田中 泰(音楽ジャーナリスト)
古川 展生(東京都交響楽団首席チェロ奏者)
楽聖もビックリ
田中 今年は“第九”こと、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーベンの『交響曲第九番』がウィーンで初演されてから二百年にあたります。日本では、第九のコンサートは年末の風物詩。普段はクラシック音楽になじみの薄い人も多く足を運ぶイベントともいえますね。
市原 そうですね、わたしたち音楽家も、年末は第九づくしになります。
田中 あらためて曲についておさらいをすると、第九はベートーベンが完成させた最後の交響曲で、第一楽章から最終の第四楽章まで演奏に一時間以上かかる大作。
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