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お堀の向こうへ鳩は飛ぶ
第十二信
往復書簡
冨士 眞奈美
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吉行 和子
和子っぺの絶筆になってしまった本誌十月号。台湾旅行の楽しかった思い出。ナルトは味噌汁にも入っていたのよ。あなたたちはおかしいわ。ハワイなどで、わらじみたいなステーキを平気で完食するくせに私がごはんに塩を振ったくらいで「丹那トンネルを越えた」人扱いして! 私が上京した時分は、まだ丹那トンネルを抜けるのに列車で十二分かかったのよ。今は新幹線で三島まで五十分。東京郊外ってところよ。エヘン!
でも、最後までお気に入りの男性がいたなんて、和子っペ、やるじゃん。 |