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■GINZA拝見


今月号に掲載されている記事です。銀座にいらした際には、是非、お立ち寄りください。
「銀座百点」は、その他にも銀座のかおりが漂う記事がたくさんあります。興味をもたれた方は、是非、定期購読をご検討ください。

ミキモト
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ミキモト

御木本幸吉が世界初の真珠養殖に成功してから、今年で百三十周年。ミキモトでは記念のプロジェクト「A LOVE LETTER TO THE SEA」が始動しています。

同名のスペシャルコンテンツが制作され、特設サイト上で海への感謝と自然への深い敬意を込めた美しい動画を観ることができます。銀座本店のショーウィンドウも海がテーマ。紺碧の海に人魚が舞うダイナミックなディスプレイが人々の視線を独占しています。

真珠の養殖にはきれいな海を始めとする良好な自然環境が不可欠。ミキモトでは排出物ゼロを目指した真珠養殖を二〇〇九年から本格的に始めました。真珠を採取したあとの貝肉や貝殻は化粧品や健康食品の原料、土壌改良剤などに利用されています。こうした廃棄物を一切、排出しない「ゼロエミッション型養殖」はさらに強化されています。環境に配慮した画期的な取り組みとして、今年からパールネックレスの糸が絹糸から使用済みポリエステルを原料とした糸に変更されました。むろん、糸が変わってもネックレスの美しいラインには変わりはありません。

人気の商品には、ここ数年で大きな変化が見られます。きっかけは二〇二〇年に発表されたコム デ ギャルソンとのコラボレーションのネックレス。男性でも着けられる少しハードなデザインで、広告でも男性モデルが着用しました。このネックレスは発表と同時に世界的に大ヒット。ほぼ女性専用だったパールジュエリーが、瞬く間に男性のためのジュエリーにもなったのです。今では男性も数多く来店、ユニセックスなデザインの新作コレクション「V Code」「PASSIONOIR」が人気を集めています。若年層には、イヤーカフも大人気商品です。

正統派のジュエリーも作りながら、弛(ゆる)まず挑戦し、新しい世界も見せてくれるミキモト。これからも目が離せません。

銀座 香十
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銀座 香十

『失われた時を求めて』のマドレーヌの逸話にあるように、人間の五感の中でも嗅覚がいちばん脳を刺激し、記憶を呼び起こす働きをするのだとか。銀座香十本店のガラスドアを開けた瞬間から、商品が並ぶ地下フロアにまで広がるのは、西洋の香水とはまた違う、控えめで柔らかな匂いです。

髪やきものに香りをたきしめ、自分の個性や癒しとして楽しむという文化は、『源氏物語』でもおなじみです。「練香(ねりこう)」といい、香料を梅肉やはちみつで練り固めた丸薬を、香炉の灰に埋めてあたため、薫り(かおり)を立たせていました。

一五七五年創業後、時代はめぐり、江戸時代の名匠、香具師(こうぐし)・第八代高井十右衛門が秘伝の調香レシピをつづりました。貴重な香木の沈香(じんこう)のほか、白檀(びゃくだん)、貝香(かいこう)、甘松(かんしょう)などのアジア生まれの漢方生薬をブレンドしたお香で、「高井十右衛門 1575/JUEMON NO.1」として今なお店頭に並んでいます。

仏事と関わりの深いお線香は、江戸時代以降、庶民に愛されてきました。銀座本店の馬越正子店長は、故人の好きだった香りや仏壇に供える人の好みでお線香を選ぶことを勧めています。特に香十の線香は、天に向かってたなびく煙の形が美しく、時間をゆったりと感じることができます。

お香をもっと気軽に楽しんで欲しいと、「香十いろは」シリーズでは季節ごとに限定の香りを用意しています。初夏は緑茶、白桃がおすすめです。

また、人気の「名私香」は、薫るオイルを閉じ込めた匂い袋。お財布や名刺入れに挟むと、紙を出し入れするたびに、ふと香ります。『伽羅(きゃら)』をマスクケースに忍ばせ、香りを移しているファンも。

香りが立ちすぎず、空間に溶けるように漂うのが和香の真髄。暑い季節に身にまとうのも粋です。

(撮影:大森ひろすけ)



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