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■GINZA拝見


今月号に掲載されている記事です。銀座にいらした際には、是非、お立ち寄りください。
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銀座天國
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銀座天國

明治十八年創業の天國は今年で百四十一年目を迎える天ぷらの老舗です。創業のころ、天ぷらはファストフードのような存在。天國も屋台から始まり、揚げたはしから客が指でつまんでサッと食べるといういなせなスタイルでした。

大正十三年には八丁目銀座通りに店を構え、二〇二〇年に同じ八丁目で三筋東に入った通りに移転しました。

現在、店は三フロアに分かれ、一階は天丼や天ぷらの盛り合わせが中心の“銀座天國”。二階はカウンター席のみの“銀座天國栞(しおり)”、三階は和食の“ゆうづつ”です。

一階の“銀座天國”の看板メニューは天丼です。「天國の天丼は、天ぷらを継ぎ足しの丼タレにくぐらせて作るのが特徴です。タレには、天ぷらの魚介や野菜、ごま油の旨味が詰まっていて、独特のコクがあります。そこに天ぷらをくぐらせることで余分な油が抜け、代わりにタレが天ぷらにしみこむので、旨味たっぷりに仕上がるのです」とは露木佐瑛子さん。昨年五代目を継いだ若き店主です。

二階の“銀座天國栞”では職人の熟練の技を見ながら、カウンターで一点一点揚げたての天ぷらを楽しめます。「一階の天ぷらがタレに合う厚衣なのに対し、こちらでは逆に薄い衣で素材の旨味を活かしています」。

三階の“ゆうづつ”では伝統を踏まえながらも形式に捉われない、天國ならではの和食を楽しめます。

手軽なランチから接待や記念日などの会食にまで使える店。老舗の名店は、ぜひ覚えておきたい重宝な一軒でもあります。

ちなみに、露木さんが今取り組んでいるのは天ぷらの冷凍。

「冷凍技術が進んでいるので、店そのままの味を遠方の方にもお届けできるならと始めました。ただ、解凍するときに油が出てしまって、まだ模索中です。実現できたら、とてもうれしいです」

ぜん屋
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ぜん屋

銀座八丁目、花椿通りに店を構えるぜん屋。和装に欠かせない履物専門店として、昭和十四年に創業しました。また履物だけでなく、創業時より傘やバッグも扱い、きものの装いに華を添える小物が揃います。

扱う小物はオリジナルがほとんど。三代目の川口彰久社長の目で選ばれた生地や材料を買いつけ、仕立てを職人に依頼します。

まずは草履からご紹介しましょう。草履はコルクを何層か重ねることで高さを出しますが、近ごろ人気があるのは、五段に重ねた厚底タイプ。あるいは側面の巻(まき)にエスニックな織生地を採用したデザインも好評です。いっぽう、草履台を江戸好みの鮫小紋で仕立ててみたり、松竹とのコラボレーションモデルで歌舞伎のモチーフを螺鈿(らでん)で表現してみたりと、伝統的な意匠や製法を今に伝えるのもぜん屋の特徴。

和装初心者は花緒に慣れていないため、痛みや歩きにくさを感じることも。ぜん屋の草履は台の細さや高さも自分に合ったものを選べるほか、足の形に合わせて花緒をすげ、さらに履き慣れたころに調整をします。花緒も数種類の用意があり、スワロフスキーで飾ったスタイルなど遊び心たっぷり。

さて、夏本番の今、和装を楽しむには暑さや蒸れが気になります。汗ばむ時期にこそ「通気性ばつぐんの、さらさらとした履き心地をぜひ試してほしい」と川口社長も太鼓判を押すのが、パナマ草履です。台の天にぴたりと合うよう、一足ずつ手作業で編まれたパナマ草履は、たしかに唯一無二の足ざわり。パナマ素材が年々手に入りづらくなっていることに加え、仕立てのできる職人が限られるため、希少な逸品です。

伝統と革新を軽やかに行き来するぜん屋のものづくり。自分だけの特別な草履を求めて、出かけてみませんか。

(撮影 大森ひろすけ)

 



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