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■GINZA拝見


今月号に掲載されている記事です。銀座にいらした際には、是非、お立ち寄りください。
「銀座百点」は、その他にも銀座のかおりが漂う記事がたくさんあります。興味をもたれた方は、是非、定期購読をご検討ください。

志ま亀
銀座7-12-4
志ま亀

志ま亀は文化七年(一八一〇)、京都の中京で呉服商として創業しました。屋号は、創業当時の「嶋屋亀之助」に由来します。二百十四年間、きものづくりはすべて京都の自社工房で行っています。

現在のあるじ、武内美都さんは八代目。京都に生まれ、先々代主人である母・俊子さんの薫陶を受けてきました。

――日本の民族衣装として、国際的にも誇り高い日本のきものの伝統を守り継いでゆくことの貴重さを、私はでき得る限り、古き良ききもの創りを本命とする立場として、頑なに伝承していきたいものと、おこがましくも考えております(武内俊子著『きものと心』より)

俊子さんの想いは美都さんに継がれ、唯一無二の志ま亀のきものの価値はゆるぎなく、銀座の店を訪れる人は絶えません。

写真上、衣桁にかかっている二点は、吉祥文様の松竹梅をあしらった振袖です。右の若草色、左の橙色ともに瑞々しい世代を引き立てる色。成人式など、娘時代の一生の祝事にふさわしい一着です。

写真手前は、三~四十代向けに美都さんが提案するおしゃれ着、小紋と塩瀬の名古屋帯の組み合わせです。左は鴇色に紫、右は梔子色に黒というふうに、きものに対して帯は反対色、小物は同系統の色を用いるのが志ま亀流。黒地の帯には金糸で京縫がほどこされ、着こなしの格が上がります。

塩瀬の名古屋帯は、志ま亀の美意識を気軽に取り入れられる、おすすめの品。見本帳を繰れば、有職文様から遊び心あふれる玩具や動物、いかにも京らしい大徳寺土塀、風神雷神まで、長い年月のなかで培われてきた伝統の意匠に心が躍ります。地色次第で文様も表情をかえるため、選ぶのは悩ましくも楽しいひとときです。

春はきものという花が街に咲く季節。人びとが心に描く古都の春を形にしたら、志ま亀のきものになるのではないでしょうか。

銀座 あけぼの
銀座5-7-19
銀座 あけぼの

銀座で愛されて、はや七十年以上。目にも楽しい季節ごとの生菓子やおかきが並ぶのが、銀座 あけぼのです。

生菓子が並ぶ一階はおなじみですが、地階にある“離れ”を知っている人は銀座ツウ。二〇一一年の改装時につくられた離れは、一階店舗のあるビルのエレベーターで地階に降りたところにあります。

離れに一歩足を踏み入れると、組付(くみつけ)彫刻を施した見事な障子のしつらいが目を引きます。広報の関口みゆきさんによると「上等な木曾産ヒノキの板材を三種類の彫刻刀を駆使し、彫師がひとつひとつていねいに手彫りした、あけぼのオリジナルの柳柄です」とのこと。銀座の柳をイメージした瀟洒(しょうしゃ)なこの柄は、包装紙にも使われています。

ゆったりと贈答品を選ぶことができる離れの人気定番商品は、おかきの詰め合わせ「味の民藝」と「それぞれ」。春夏秋冬で替わる「味の民藝」の掛け紙は人間国宝の染色家、芹沢銈介氏の手になるもの。立春あたりから登場する掛け紙は、朱と若草色で描かれた春の文字へと蝶々が飛び立ちます。

春限定の「それぞれの春」も、どれから食べるか迷うほどさまざまな種類が。桜の形のおかきには桜のざらめがまぶしてあります。

創業当時は甘味処だったあけぼのだけに、上品な甘味の菓子ももちろん人気。定番の「姫栗もなか」は刻んだ栗が入った栗好きにはたまらない味。贈答だけでなく、自分用にと求める人も多いとのこと。

また一月上旬から四月ごろまでの限定となる「桜もなか」もおすすめ。桜の葉を皮に練り込むことでふわりと香らせ、こし餡と羽二重粉を使ったお餅が入った優しい味わいです。

関口さんの「四季折々を楽しんでいただくのも和菓子の役割です」というひと言に、想いを感じます。

(撮影:大森ひろすけ)



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