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■GINZA拝見


今月号に掲載されている記事です。銀座にいらした際には、是非、お立ち寄りください。
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乾山
銀座7-3-9
乾山

銀座七丁目、西銀座通りに面したリービルの二階にのれんを掲げる、江戸前ずしの乾山(けんざん)。寿司田(でん)グループの最高級店として、昨年開店六十五周年を迎えました。屋号は日本美術をこよなく愛する創業者が、尾形乾山にちなんで名づけたそう。特徴的なロゴは吉祥文様の州浜(すはま)紋をアレンジしたといいます。

来客者の目にまず入るのはヒノキのカウンター。触れるとひんやりなめらか、毎晩閉店後にヘチマで磨いたあと、牛乳で艶を出しているとか。柔らかく明るい色調で、置いた握りは映えて見え、食欲をそそります。

その日のおすすめは木札をチェック。豊洲市場で厳選されたすし種が詰まった“タネ箱”を見て決めてみても。握りの定番人気は、塩もみしてからふっくら炊き上げ、笹の葉であぶった穴子や、マコガレイやコチなど、季節によって主役がかわる白身の昆布締めなど。

もちろん、ほおばった瞬間、とろける中トロも大看板です。刷毛で塗られた煮切りしょうゆと、新潟産コシヒカリのシャリとのうまみの相性は抜群。握りに華を添える自家製のガリは、歯ざわりがよく香りがたちます。六十年間通い続ける常連の顧客がいるのも納得の江戸前の仕事です。

「当店が目指すのはお客さまにくつろいでいただきながら、伝統の味をきちんと提供すること。コースをお任せいただくのも、お好みの握りを一貫からご注文いただくのも、どちらも大歓迎です」と、早坂智和店長。

今月のおすすめの献立をうかがいましょう。たこの桜煮を先付に、酒肴は鱧の湯引きで、味付けの梅肉には鱧のアラから丁寧に取った出汁を合わせて風味豊かに仕上げたもの。そして握りは新子をぜひ。酢締めをする際、塩水で下ごしらえするのが乾山流。暑い日差しに負けぬよう、乾山で涼を呼ぶ美味をいただきましょう。

米倉
銀座5-1
米倉

銀座ファイブ二階の米倉は大正七年創業の理容院。政財界の要人や文化人が足しげく通う名店として知られています。

広々とした清潔な店内には革張りの椅子が並び、その前に足もとまで映る大きな鏡。窓からの日差しが店内を明るく照らしています。

メニューは、カット、シャンプー、シェーブ、ヘアセット、マニキュア、ヘアカラー、ひげ、フェイシャル。男性の身だしなみ全般に対応しています。大半の顧客はカット・シャンプー・シェーブセットのコースを選びますが、このコースに米倉ならではの技が詰まっています。

「カットのあとには温めたオリーブオイルで頭皮をマッサージして、汚れを取ります。頭皮の汚れは脂性なので、オイルでないと取れません。十分くらいですが、皆さん気持ちいいと言ってくれますね」と語るのは店長の大嶋昭格さん。米倉に入社して五十年以上のキャリアを持つ理容の達人です。

髪質に合わせたシャンプーでしっかり髪を洗ったあとは、シェーブ。泡立てたシェービングソープで汚れを取ってから、蒸しタオルを何枚も使って皮膚を二回スチーム。柔らかくなった肌にレザーを当てて、ていねいに剃ります。この時、皮膚の厚みを考えて、レザーの角度を微妙に変えていくのがポイント。肌を保護するローションをつけて、マッサージと耳掃除をしてコースの終了。シェーブの間、あまりの気持ちよさに熟睡してしまう人も少なくありません。

客は長く通う常連がほとんどで地方から訪れる人も多数。「常連さんがたくさんいるのがありがたい。さっぱりしたと満足してもらうのが一番のやりがいです」。

大嶋さんとの会話を楽しみながら、一流の技術で身を整える。そんな時間は多忙な人にとって、貴重な安らぎの時間でもあります。

(撮影 大森ひろすけ)



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