銀座通りの一筋西側、金春通りは江戸時代に能の代表的な流派、金春流の屋敷があった場所です。現在でも、そこここに江戸の情緒が感じられ、和文化を伝える店も多く見られます。
そんな店を代表する一軒が明治十一年に創業、昭和八年にこの地に移った伊勢由。百四十八年の歴史を誇る呉服と和小物の店です。長い歴史に裏打ちされた、上質で洗練された品揃えは着物を愛する人々を惹きつけ、顧客には伝統芸能関係者も多くいます。
また、新しい試みにも意欲的で最近では着物のレンタルも行っています。浴衣、小紋、付下げ、訪問着、振袖、留袖とあらゆる用途に応じた着物をレンタルすることが可能。男性用も揃っています。着物の選び方がわからない初心者でも老舗のアドバイスが受けられるのは心強い限り。着付けや髪結いは近くにある腕のいい店を紹介してもらえます。レンタルの着物も、もちろんすべてが高級な品。どんな場にも自信を持って出かけて行くことができます。
定番の人気商品としてはガーゼで作ったオリジナルの赤ちゃん用品があります。可愛い柄の産着や沐浴用の手拭い、シーツなどが揃っていて、出産祝いに最適です。
九月からは日本刀の文化を振興する公益財団法人 日本刀文化振興協会とのコラボで、現代の職人が作った美しい装飾の日本刀の販売も開始。インバウンドの人々からも注目されそうです。
現在、暖簾を守るのは四代目の社長和田友美恵さんと子息の大さん。和田社長は長年画廊も経営するビジネスウーマンで、自身の感性を活かして店を運営しています。
大さんは「伊勢由は江戸の粋を売っている店です」と語ります。たしかに、店に並ぶあらゆる物に感じられるのは「江戸の粋」。やがて五代目を継ぐ大さんによって、この大切な伝統はこれからもしっかり守られていくことでしょう。 |