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■GINZA拝見


今月号に掲載されている記事です。銀座にいらした際には、是非、お立ち寄りください。
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銀座 黒田陶苑
銀座7-8-17
銀座 黒田陶苑

漆黒の空間に浮かびあがるかのような美術品。美と向き合う静謐(せいひつ)な時間は、今の銀座では得がたいものです。

ここ七丁目の銀座 黒田陶苑は、昨年創業九十周年を迎えました。

名古屋出身の創業者、黒田領治氏は青年時代、銀座通りにあった陶磁器交易商社に勤務。仕事を通じて若かりし日の北大路魯山人と出会い、親交を深めます。当時の魯山人は食の分野では名を知られていましたが、作陶の分野ではまだ研鑽を重ねているさなか。しかし領治氏は時代に先駆けて魯山人の才を見出し、やがて独立。日本橋に魯山人作品の専売店である黒田風雅陶苑を構えます。

その後新橋駅前に移り、領治氏は富本憲吉など広く作家を扱うようになり、店の規模は拡大。一九四九年に銀座八丁目に黒田陶苑美術部を開設、一九五八年には新橋駅前から銀座通りに本店を移し、さらに二〇二一年、銀座六丁目に支店のアネックスも開設。そして二〇二四年に内藤廣(ないとうひろし)氏が内装を手がけた現在の店が完成しました。

現在、店を統べる黒田佳雄氏は、領治氏の孫にあたります。

「他の人がすでに認めた作家を取り入れるのではなく、自身が良いと思った人材を探しなさい」

領治氏のこの言葉を糧に、自らの目を頼りに作家を発掘。分野は陶芸をはじめ工芸、漆芸、木工、金工と幅広く、物故現存両方の作家の立体作品を主に扱います。

店内は常設と企画展のコーナーで構成。写真は常設展のスペースで、右の花器は九〇年代に活躍した和太守卑良(わだもりひろ)の作です。隣には大正時代、まだ作風を確立する前の魯山人の器が陳列されていました。

「あえて時代を統一しないように作品を展示しています。美術品によって、時代を超越する愉しみをご提供したいと考えまして」

企画展は毎週展示内容を替えているほか、四季ごとに二週間の特別展を開催。美をめぐるタイムマシンのような店なのです。

モリスルビー
銀座5-5-16
モリスルビー

時は中世、のちの宗教改革の旗手、聖職者マルティン・ルターは教会の腐敗を指摘しローマ教皇から破門。市井の人となった彼は想いを寄せていた修道女のカタリナ・フォン・ボラを訪れ求婚。ルターが差し出した指輪をカタリナは受け取り、二人は結婚しました。

時は現代へとひるがえり、ルターの結婚指輪はドイツのライプツィヒ市歴史博物館が所蔵。デンマーク王クリスチャンⅡ世がルターに贈ったもので、黄金の台座に大きなルビーが輝きます。宝石としての歴史はダイヤモンドより古く、聖職者や王侯貴族に珍重されてきました。モリスルビー社長の森孝仁氏もまた聖なる輝きに魅せられ、ルビーを求めて原産地ミャンマーに進出し、現地法人を設立。ルビーの採掘を始め、天然無処理で美しいミャンマー産ルビー専門ジュエラーになりました。

伝統的にミャンマー産ルビーが特別なのは結晶したときの環境に理由があります。もともと海底にあったカルシウムの堆積岩が大陸移動によりミャンマーの地下深くへ移動し、ルビーの品質を決めるクロム元素が多い場所で結晶。より赤が濃く強い輝きを放つ“ピジョンブラッド”と呼ばれる最高級ルビーが産出するのです。

かつて、現地の採掘現場で自ら汗を流していた森氏が選んだルビーを使ったジュエリーを買えるのがモリスルビーで、ルターにちなんだペアの結婚指輪も販売しています。

森氏は鑑定士としても定評があり、ルターの結婚指輪の鑑定を熱望していました。ルターのプロポーズから五百年後の二〇二五年、夢はついに実現します。

「ドイツおよびスイスの宝石研究機関立ち合いのもとで鑑定し、天然無処理のミャンマー産ルビーということが立証されました」

ルビーがルターにたどり着くまで、どんな道をたどったのか――実にロマンをかきたてられます。

(撮影:大森ひろすけ)



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