創業百三十年を迎えた眼鏡専門店、岩崎眼鏡店が銀座百店会に入会しました。
明治から令和の今に至るまで、眼鏡一筋に歩む店の代表を務めるのは、四代目の九鬼悦子さん。
九鬼さんの父、三代目岩崎利一氏は進取の気性に富んだ人物で、昭和三十年代にはアメリカでコンタクトレンズを学び、イギリスで眼鏡測定技術の講習を受けたとか。
豊富な知見と経験をもとに、三代目が提案した店の信条は「幸せなメガネ」。快適な視界、顔立ちに合うスタイル、かけ心地、適正な価格という四つの条件を満たす眼鏡を手に入れる喜びを表現しています。九鬼さんはじめ四人のスタッフもこの言葉を大事に守ってきました。
快適な視界をかなえる眼鏡を仕立てるため、岩崎眼鏡店には眼鏡作製技能士(がんきょうさくせいぎのうし)が在籍。測定の精度、レンズ加工、フィッティングまですぐれた水準であることを認められた国家資格の保持者です。
顔立ちに合ったスタイルを演出するフレームは、千を超すとか。日本のものづくりへの信頼から国産フレームが多く、創業百二十周年の「MASUNAGA」や、シンプルながらも存在感が光り、外国人の人気も高い「MATSUDA」も並びます。日本では数軒しか扱いがない「MAYBACH」は同名の車のボディと同じウッドを使っているとか。18金製のフレーム、ドイツの「LOTOS」も金が高騰している今、注目を浴びています。
かけ心地のよさを実現するためにはフィッティングを重ね、緻密に調整をします。フレームとレンズには価格が明示されているので予算内で選ぶことができます。
九鬼さんとともに店を守る、五代目の堀川理恵さんは語ります。
「年齢を重ねることで、眼鏡に求めることも変わります。見え方に少しでも違和感があれば気軽に寄っていただける、かかりつけの眼鏡店でありたいですね」 |